e-ナース 看護師さんのためのお仕事情報サイト

サイトマップ | ヘルプ

採用ご担当者の方はこちら

トップページ >> 私達ナースです >> 養護教諭として働くナース

私達ナースです

養護教諭として働くナース
中澤栄利沙さん

 

 

 

 中澤栄利沙さんは、現在神戸市内の公立中学校で養護教諭を務めている。1976年に鳥取県で生まれた中澤さんは、お母様も看護師であり進路決定には強い影響を受けたという。

 

 「小さい頃はケーキ屋さんや歌手などやりたいことがたくさんありました。高校生になってからは獣医を目指そうかと思っていました。でも母は看護師としての自分の仕事に強い誇りを持っていて、私にその仕事を継いでほしかったのだと思います。大学受験では地元にある大学の農学部を受験する予定でした。しかし、滑り止めで受験しようと思った大学が北海道にある畜産大学で、家から遠いことと農家出身でもないのに畜産を学んでも将来に生かしていけないのではないかと反対されました。」

 

 お母様の強い説得を受けて、中澤さんは出願期限の直前に川崎医療福祉大学に願書を提出、受験にも合格して医療福祉学部保健看護学科の1期生として入学した。

 

 「1期生はどうしても実験台となりがちでしたね。でも先生方が、ご自分たちが受けてこられた教育とは異なる教育をしようと力を注いでくださいました。人の気持ちや思いを汲み取ること、人との関わり方といったコミュニケーションに重きを置いた指導でした。」

 

 関連の川崎医科大学では高等看護学校や医療技術短期大学を附属させるなど、レベルの高い看護教育を行っていることで知られている。そういった学校出身の看護師と、4年制大学で看護を学んできた看護師との違いを中澤さんに尋ねてみた。

 

 「川崎医大の附属病院で実習したのですが、看護のレベルは高く毎日きつかったですね。私たちは現場ですぐに役立つ技術を中心に教わったわけではないので、最初は戸惑いがありました。患者さんとの関わりでは、頑張ったことは患者さんに伝わるんだと思いましたね。そして患者さんの思いもダイレクトに感じられ、技術はありませんでしたが患者さんのそばにいられて、自分も癒されるような気がしました。

4年制の総合大学では看護学以外の学問も充実しています。一般教養に加えて心理学や教育学も学べたことは患者さんの気持ちを汲み取る上でも大変よかったです。もしも、他の学校に行っていたら、患者さんとの関わり方が変わっていたかもしれません」

 

 

 コミュニケーションを重視する看護のあり方を学んだ中澤さんは子どもとの関わり合いを深めたいという思いが強く、近畿圏の小児専門病院に就職した。募集人員に対して12倍という狭き門をくぐっての合格だったという。2年をNICU勤務で過ごし、その後、病棟で3年間のキャリアを積んだ。

 

 「毎日きつくて落ち込むこともあったけど、楽しかったですね。子どもたちが私の名前を呼んでくれて『早く来て』などと声を掛けてくれることが嬉しかったです。」

 

 その充実した日々にピリオドを打って、養護教諭を目指したきっかけはどういうことだったのだろうか。

 

 「大学を卒業した時点で保健師と養護教諭の免許を頂いたわけですが、その頃は養護教諭になることは全く考えていませんでした。看護師として5年勤務して、そろそろリーダーとしての立場になるのかなあと思っていたのです。そうした頃に、退院した子どもたちが病院に遊びに来て『学校がつまらない、学校に楢木さん(旧姓)がいればなあ』と言うんですね。それで学校現場を見てみたいと思い、転職を決意しました。」

 

 中澤さんは神戸市教育委員会に講師登録し、臨時採用という形態で神戸市内の中学校へ勤務することになった。そこでは中澤さんが「師匠」と呼ぶ、養護教諭との出会いがあった。

 

 「生徒への声かけが大変上手な先生で、生徒から大変人気がありました。その師匠に教わりながら、養護教諭としての仕事を覚えていきました。まず、病院と学校では清潔、不潔の感覚の違いが大きく、最初のカルチャーショックはその点でしょうか。それから、相手は患者というよりは生徒なので、いわゆる生徒指導も必要です。師匠と2人体制とはいえ、他の先生方から孤立しているような気もして、どのように動いていいものなのか初めの頃はよく分かりませんでした。」

 

 先進的な高度医療を行っていた前の勤務先から学校の保健室へと医療環境も一変したが、養護教諭の日常業務についてお尋ねした。

 

 「学校に備えているものは体温計と血圧計ぐらいですね。まず、本人の訴える症状を聞き、生徒の顔や雰囲気をみてから身体症状をチェックします。頭を打ったりした生徒には血圧も測りますが、バイタルチェックというほどのレベルではなく、熱や脈をみる程度です。いつもと同じなのか違うのかと比較して、対応を判断することが多いですね。」

 

 中学校では部活動が活発に行われているので怪我の心配も大きい。また特別なケアを必要とする場合などについても伺った。

 

 「校区の小学校とは連携を取っていますので、中学校に入学してきた時点である程度の情報は入っています。また入学後の健康診断結果や心臓検診のデータも頭に入れています。怪我に関しては、部活動だけでなく廊下のガラスに突っ込んでしまうといった突発的なこともあります。大きな怪我であれば、保護者に連絡を取り、病院に連れて行きます。」

 

 今年4月には転勤も経験し、現在勤務している中学校は養護教諭1人という職場環境であるという。

 

 「やはり1人と2人では全く異なりますね。精神的にも大変です。何でも自分ひとりで背負わなくてはいけないので責任感も重大です。子どもとの関わり方について師匠のような相談できる人がいないのは辛いですね。前の学校の生徒たちからは今も手紙をもらっています。手紙が届くと嬉しいですよ。相談事などを書いている生徒もいるので、必ず返事を書くようにしています。」

 

 価値観が多様化し、様々な個性を持つことが当たり前な時代にあって、子どもたちを取り巻く環境も変化してきたといわれている。中澤さんの目には今の子どもたちはどう映っているのだろう。

 

 「私が中学生の頃は先生に従うことが当然で、先生に逆らうことは考えられませんでしたが、今の生徒たちはいい意味でも悪い意味でも自己主張をしっかりできますね。自分の意見を持っていることは素直でいいことです。そして私たちの頃より教師と生徒の距離が近いこともいいことだと思っています。」

 

 学校の保健室は今も昔も「駆け込み先」といった面も大きい。今の生徒たちが養護教諭に訴えかけている内容について尋ねた。

 「基本的な症状としては、だるい、しんどい、おなかが痛いといったところですね。相談では友人との人間関係についてが多いです。恋愛相談ももちろんありますよ(笑)。」

 

 修学旅行など学外行事の同行もある。学校を離れた教育の現場でも養護教諭へ与えられた責任は重い。

 

 「修学旅行など宿泊を伴う行事では、生徒の安全を守り、保護者に心配をさせないことが大切ですね。生徒が寝てしまってから、次の日の打ち合わせを行うので睡眠時間は2、3時間になってしまいますが、その分、生徒たちと触れ合っている時間が長いので楽しいです。」

 

 看護師がその資格を生かして働ける場は広がりを見せているが、病院以外の場所で働くことは中澤さんにとってどのような意義があったのだろうか。

 

 「学校はある意味、特殊な場所なので様々な衝撃を受けました。先生方やほかの職員の方など病院とは違う職種の方々と仕事ができたことで視野も広がったように思います。生徒たちの背景にあるものも少しずつ見えてきましたし、この経験は今後に生かしていきたいですね。」

 

 中澤さんは今後のキャリアプランについても伺った。

 

 「近々、結婚して大阪市内に転居する予定です。今の仕事は来年3月までになりますので、その後は保健師の資格を生かして企業内保健師として働きたいと思っています。結婚しても、ずっと仕事をしていきたいです。」

 

 現在は結婚に向けての準備に忙しいという中澤さんだが、以前は映画鑑賞やショッピングが趣味だったそうだ。

 「最近、感動した映画は『解夏』ですね。生活が落ち着いたら、テニスを始めようと思っています。前からやってみたくて、ラケットなど道具だけは買ってあるんですよ(笑)。」

 

▲ トップ

Copyright(c) 2008 LinkStaff Co.,Ltd. All Rights Reserved.

会社概要 - 利用規約・プライバシーポリシー -苦情・提言箱 - 正社員・パート募集 - お問い合わせ - 全国病院リスト