
vol.36



私達は「病院の理念・基本方針」に基づき地域に根ざした看護を提供する。
「患者様に感動を与えられる看護を提供し、選ばれる看護部組織を目指します」
ナースプラクティショナーは、医療全体における看護師の役割について、可能な医療行為の拡大を含めた新たな考え方を導入しようというものです。
日本医師会や日本看護協会は慎重な姿勢を崩していませんが、アメリカや韓国、タイ、オランダでは既に導入されています。
大分県立看護科学大学では、平成20年度から大学院にNP養成コースを開設したほか、国際医療福祉大学大学院でも、同21年度から修士課程にNP養成分野を開講しました。
大分県立看護科学大学では、NPを「一般的な疾病などを持った人々が賢い生活スタイルを選択し健康を改善しながら生活できるようするために、健康増進からリハビリテーションまでを継続して関わる看護職で、医師と連携・協働して専門性の高い包括的な医療処置的ケアを提供」すると定義しています。
院長:現在、大分県立看護大学に当院の職員1名が在学中です。ナースプラクティショナー(以下、NP)については今、盛んに議論されており、医師会や看護協会でもそれぞれ意見があると思いますが、私は推進してよいのではないかと思っています。
看護局長:きっかけは2007年の秋頃、草間学長(大分県立看護科学大学 学長)やNPに関わる先生方が来られ、当院が行っている糖尿病療養指導士の活動などをお話しさせていただきました。へき地や医師不足の顕著なところで専門的な知識を持った看護師が関わっていくという主旨のもとに、これからNPを育成していきたいということでした。
今年から東京では急性期のNP講座が開講されていますが、当初、私や大分県立看護科学大学が考えていたのは慢性疾患におけるNPの育成でした。慢性疾患の患者さんに細かく療養指導をするには医師よりも看護師の方が時間的なゆとりもあり、患者さんの背景を考慮しながら関わりが持てますし、また医師との橋渡しも円滑に行えるのではという思いがあったんです。
院長:当院で実際に行っている糖尿病の治療や教育などには、看護師がしていることが多々あります。また、日本糖尿病療養指導士のレベルは高く、糖尿病を専門的に診ていない先生と比べても引けを取りません。
外来患者数や病床数に対して医師の配置基準がありますが、例えばNPが2人で医師1人に換算できるとか、将来的にそうなるのも面白いと思います。要は地域の住民や患者さんに満足、評価していただける医療を提供するためには何が必要なのかということを考えなければいけません。
看護局長:NPは日本の医療の向上に貢献できるのではないかと考えています。NPは決して医師の分野を侵害するものではありません。既に特定看護師や診療看護師といった領域も広がっていますが、看護師が活躍することによって、医師が医師の仕事に専念できるのではないでしょうか。
院長:本来、私達医師は365日24時間働くのが当たり前と思って、医師になりました。でも今はそうではありません。今の若い先生達にそれを求めることはできません。だからと言って、医師不足の改善のため、医師数を増やすといっても困難です。したがって看護師と一緒に力を合せてやれば、対応できるのではないかと思っています。
看護局長:今、診療報酬に反映されるのは認定看護師や専門看護師の存在ですが、これからNPが認められて共存していければ、一番良いと思います。
院長:医療や看護の質を上げるためには教育が大切です。教育にはお金がかかります。これからの医療や病院を考えると投資してでも認定看護師や専門看護師を取得してもらいたいですね。また、そういう取組みを発信することで、やる気、思い、気概のある看護師に来てもらえるような病院になればいいと思います。看護師を教育してレベルアップさせることで良い人材を確保して、またその看護師が若い人たちに伝えていくような循環を続けていかないと、10年後、20年後の病院の将来はないのではないかと思います。
私は常々医療を左右するのは看護力だと言っています。そのために教育面に注力しています。これからも佐伯中央病院に来て良かったと思ってもらえるような病院にしていきたいです。